いまや新種の昆虫が、海外からどんどんやってくる時代になってしまった。そしてそれらの生物は、何年も前から日本に住み着き、大規模に繁殖しつつあり、もはや駆除することが不可能な事態になってしまっている。広島と山口では、旧来の日本の蟻が、このアルゼンチンアリによって総て駆逐されつつあるようである。この蟻は、巨大なコロニーを作ることが知られていて、どんどん生息域を拡大している不気味さがある。なんでもこの蟻が侵入したヨーロッパやオーストラリアでは、100kmに及ぶ巨大なコロニーが発見されているという。南米の生存競争を生き抜いたその生命力は、日本の蟻など目じゃないといわれる。 さらに,南国生まれのくせに寒さにも強く,冬も休眠せず1年中活動できる。そして最大の問題は、家の中にどんどん入ってきて、手当たりしだいに食物を食べつくし、さらに人にもたかり、衣服の中に入り込んであちこち噛み付くそうである。一応毒はないものの、集団で噛み付くらしい。なんともぞっとしない。
そしてもう一方のセアカゴケグモは、列記とした毒蜘蛛である。これはもうかなり前から問題になっていた。しかし、いまだに生息していることから、駆逐するのが不可能なのではないか。こいつは、オーストラリアや東南アジアで普通に生息しているらしく、現地の誰もがその対処法を知っている。しかし日本ではそんな伝統などないから厄介である。比較的おとなしく、触れなければ大丈夫とはいっても、噛まれて死んだ者もいるぐらいである。たぶん、スズメバチ程度の毒なのであろうが、不気味である。まあこっちは、蜘蛛のほうから襲ってくることはないのでまだましである。
これらの事態も、地球温暖化が及ぼす作用なのであろうか。昆虫という生命が動き始めたのは、何か暗示的ですらある。彼らは、太古より生き残った生命体であり、幾多の危機を乗り越えて生存している存在なのだから。夢想は尽きない。
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