人にはそれぞれの時間があって、その人により時間の長さが違うのである。もちろん、一日は24時間であり、すべての人に共通のことであると思うのだが、人の生活環境、生活の仕方、意識の持ちかたにより時間はどうのようにでも、長くなったり短くなったり。東京に住んでいると、一日が本当に速く、何をやっているのかわからないうちに、消えていく。屋久島にても同じなのかもしれないが、島の中は何かゆったりとした、まさに動くことない自然が空気を、時間を食っているような時間の緩やかさが感じられる。人もかつては自然の、いや今も自然の一部ではあるのだが。しかし、それに慣れるかというとそうではなく、なかなかからだに染み付いたものはとれない。
人の人生は、長くて120年。多くの人は80−90歳で死んでゆくのだろう。1000年、2000年も生きる木、屋久杉、もしかしたらもっと長く。時間と死を、生と死を、一つの世界に並べると、そこには油蝉の鳴き声が聞こえる。
コメント