P,v “はじめに”と“第1章”
—資本主義の過程は本質的に、本書の想定から外れたタイプの変化の過程である。そして、資本主義に特徴的な現象や問題の全ては、それからそのような過程であるという事実から生じるのである。生産関数の不変を前提とした理論は、それ自体として正しければ理論家にとってはやはりある程度役に立つかもしれない。しかしそれは
(ションペーターの批判)は、ケインズの「一般理論」がマーシャルの意味において「短期」(人口、技術、資本設備が所与であること)を想定している。
But企業者によるイノベーションの遂行により生産関数が絶えず刷新されてきた資本主義の歴史とは懸け離れた「机上の空論」
ショーンぺーターは、単なる経済理論ではなく、歴史学や社会学を含んだ「総合的社会科学」を作り出そうとしていた(マルクスとの関係)それは、「静態」から「動態」への着想を練るときに念頭を離れなかったのは、ションペーター自身の言葉からマルクス資本主義に関する動態的な「ヴィジョン」(経済分析)に先行しそれに題材を提供する分析以前の認知活動。
この対立する両有の見解の食い違いは、両有の「経済学」という学問の捉え方の違い。
ではケインズ(マーシャル) —政策に関連が無いならば経済学ではない(為政者のための政策「勧告」)
ションペーター — 「経済理論」と「経済政策」は峻別。
即ち、ショーンペーターは、経済学を常に変化する「動態的」なものを中心にとらえられそこが、静態的なものが生まれるが、ケインズは「静態的」なものを中心として経済学を捉える。(決して動態的なものを認めていない訳ではない。)
“第2章”
「企業者とは誰か?」
ションペーター → 我々が企業と呼ぶものは新結合の遂行およびそれをそれを経営体などに具体化したもののこと。企業者とは、新結合の遂行を自らの機能とし、その遂行に当たって態動的要素となるような経済主体。
新結合 → “イノベーション”と呼ばれる。
イノベーション
1.新しい財貨の生産
2.新しい生産方法の導入
3.新しい生産方法の販路
4.原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
5.新しい組織の実現
しかし、一度創造された企業を単に循環的に経営していくようになると、企業者としての性格を損失
以下のように説明している
静態 → 全ての経済数量が年々歳々同じ規模にして循環
↓
But 一部の天賦の才能に恵まれた人物が「企業者」となり「銀行家」の資金援助を受けイノベーションを遂行することにより破壊それが「動態」の世界
※ 静態
— 循環の変更ないし均衡傾向
※ 動態
— 循環の変更ないし経済自体による経済活動の与件の自発的変更
コラム マーシャル
イギリスの経済学者(1842〜1924年)新古典派の中心人物。
マーシャルのK = 一国の国民総生産に対する貨幣量の割合
K2M/PY (M=貨幣量 , P=物価水準, Y=国民総生産)
→ 人々が「所得のうち貨幣で保有しようとする割合」
ケインズの「企業者」とは、
—投資から得られていと予想される利潤率(限界効率)と、金融市場できまる利子率を比較し、この両者が一致するところで投資量を決定
↓
しかし、一方で「長期予測すること」に関心がなく、「短期の予測」をする人が存在。
↓
「投機」これが経済の実態を離れた激しい動きをする可能性があり、資本の限界効率にも激しい変動。 →ケインズのいう「不確実性」の世界この部分にションペーターのイノーベーションのための関連性。
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