WBC世界フライ級タイトルマッチ
坂田健史VSロレンソ・パーラ
先日行われた試合で見事に、坂田選手がタイトル奪取に成功した。坂田選手の気合の入った、この試合に人生の全てを賭けている表情が全てだった。内容は救われない試合で、パーラはやる気がなく途中で試合放棄。この試合の裏側がどうなっているか知らないが、このままだとボクシングに不信感が生まれてしまう。それを唯一救ったのが、世界タイトル四度目の挑戦で後が無く、しかもパーラに二回惜しくも負けている坂田選手で、本気で全身全霊を賭けた生き様が観客に見事に伝わり感動が生まれた試合であった。それが無かったら暴動が起こってもおかしくない試合だった様な気がする。
なにか言葉にすると陳腐になってしまう。言語は絶対ではありえない。「はじめに言葉ありき」という一節が心に浮かびひっかかる。頭の中がもやもやと、何か出てきそうでひらめかない。そうすると筆はぱったり止まり、もう、しばらく前に進まない。書いていると言葉が湧き出してくる瞬間がある。その波に乗っかれば後は楽だ。私の場合書くという核心は、なにかが来るのを待つことだ。
坂田選手の何が私を感動させたのか。言葉ではないもの。思い。人のエネルギーっていうか波動のような。眼光。戦いが終わりむくわれた者の恍惚。人生。
「エネルギー不変の法則」。はじめにエネルギーありき。人のエネルギー(想念)は不変。輪廻転生。「E=mc2乗」(半村良が「妖星伝」で残した謎)。総てが混沌としてわからない。まあ人は神になれないのだから、気にすることは無いさ。殺されるわけじゃない。でも人は、始めから総てを知らされているんじゃないか。
とりあえずこれで、フライ級は面白くなった。亀田選手兄弟と坂田選手がどう絡んでいくのか。日本人同士の世界戦は名勝負が多い。これからフライ級は注目の階級になってきた。名勝負が見たい。
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