私が好きな物は、ほとんどセールと関係ないのだが、(本にはセールがない、しいていうならば、古本を買うのであろう)世の中セールの時期になってきた。このごろの世の中の常識は、簡単、安い、安心といったところであろう。すべての商品が個性をなくし、大量消費されていくのである。かつては、スニーカーとはパッション、ファッションであり、おしゃれな感じがした。しかし、今では履物になってしまった。これは世の中の流れであるのでどうしようもならない。ならば、と考えるのが生きるということである。
商人は商の国の人が始めたので商人という。国をなくした人が、生きるために物を売り買い、信用を売り買いしたのである。今でも、その仕組みは世界中に存在しているのである。おいてきぼりは、生きることはできないのである。現代は、フーコーが唱えるような自由を束縛された、すべての者がすべての物を監視する社会なのである。カフカが城のなかでいった、どこまでも最後の扉のない世界と通じるものなのである。恐ろしい。
今年のセールは長い。すでに楽天のお買い物マラソンは始まり。16日からはルミネグループ、多くの館ではプレ セールなどの企画が始まる。消費は伸びない、これは人々が将来に明るさをもっていないからである。暗い暗い。ならばと、他のところに行っても世界はフラット。常に世の中のしがらみに付きまとわれる。これは夏目の向こう三軒なのである。と、今を。
がんばろう。セールである。
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