中東、アフリカ北部の国々の情勢が怪しくなってきた。宗教的な対立もあるのだが、根本のところは、政治体制の問題であり、若者に仕事がない、富の格差が激しいということに根ざしている。そして、特にこれらの国では、若者の人口比率が高いのである。そして、大きな変化は、すべての情報が瞬時に世界に広がり世の中の多様な価値観を、いとも簡単に体験できるのである。
物事が起ってしまってからいうのは、いとも簡単であるが、スニーカー市場から見てもそういった流れが感じ取れた。今まで中東の人たちは、ナイキのスニーカー、アディダスのスニーカーなどのファッション性の高いものに興味がなかったのである。しかし、ここ1−2年海外のお客様のなかに、中東の人が混ざりはじめ、まとめて買っていくようになってきた。特に、ナイキのスニーカーを買って返るのを見ると、何かそれらの国に民主化、自由化という西欧の文化の影響(ソフトパワー)が読み取れる。
ナイキというブランドは、アメリカを象徴するブランドであり、自由の象徴である。しかし、宗教の違う国々では、(特にイスラムの国)なかなかアメリカの文化が根づいているようには思えなかった。しかし、このごろのナイキの売れ行き、人気を見ると文化のフラット化、もしくは、文化の終わりを感じるのである。などと思いながら、エジプトの人類の歴史的遺産が守られますように。と、どさくさの中では、純粋なものの中に不純物が混じるからである。
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