みすず書房から発売されている“貧乏人の経済学”を読んでいるのであるが、このグレーな感じ、答えがあるようでなかったり、どうにも片方だけに特化できない立場に立たされたり、卓上の計算だけでなく実際の経験でしかものが語れなかったりと、学ぶことがたくさん存在する。世の中の多くの人が考える思想は、バイアスが掛かっているのだが、もちろん私も、そのバイアスを解きほぐし、世の中をよりよくする方法を見つけ出すプロセスは、やはりこのように、どこにいくのかわからない議論、経験をしなければならないのであろう。
私などは、靴を売り既に20年近く経つのであるが、時代の流れについていくだけでかなりの時間と労力をとられている。何事もやってみなければわからず、失敗ばかりしている。既に時代に合わないことをやっていることが多すぎるのである。(私のやっていることが世の中のためになっているのかもわからない。しかし、多くの人が飯を食べているのは一つの世の中への貢献であると思う)それでも答えのない問題を、アーでもなく、コーでもなく日々進むのである。しかし、日本のスニーカー、靴市場は悲惨な状況だ。
アメリカより今日帰るのであるが、スニーカー一つにしてもアメリカのニューヨークには力が存在する。それがどこからくるのかはわからないが、アメリカの商売の方が、もっとコンスタントに商売ができるのである。一方、アジアの商売はかなり激動激しい。すぐにブームが廃れてしまうのである。このごろは、ポイントの業績の悪さが目立っていると思う。また、シップスなどは常に身売りの話でいろいろな人の間で盛り上がっている。これも、どっち付かずの世の中とうまく対話ができなかったためなのか?
しかし、“Poor Economics” のなかにでてくる話と比べると、状況は良いのかもしれない。なにせ、日本はインドなどと比べると裕福なのであろうから。(私はインド、バングラディシュなどに言ったことがない。ましてやアフリカ。)それだからこそ湯で蛙になってしまうのであると思う。自分がそうなる前に、そして私の周りの人がそうなる前に、私はアメリカに来てここで商売できる可能性を探っているのであるのだが。それもやらなければわからない。そんな本が”貧乏人の経済学“である。
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