年末になってきた。小売りをしているものにとっては、特に私たちのような靴屋、には書き入れ時である。これから、1月を含め、忙しい時が流れるのである。それが、小売りの宿命だから。
しかし、一方で気が緩む。私は、今年読んだ本の少なさと、読みたい多くの本の間に年の瀬を向け格闘しているのである。この年になり、日のつみ重ねは、お金ではかえない。お金で買えないものがないと、商売もうまくいかない。とつくづく感じるようになってきた。朝時間に机に、ちゃぶ台に向かう。それが日課になっている。朝は新鮮だ。生命の始まりだ。こんな感覚も年をとらないと感じない。
岡井隆を読んでいる。万葉集と平行して、英単語、トマスピンチョン、ゲームの理論と平行して。今、伊太利亜だ。私は昨夜、飛鳥寺の大仏が夢の中に出てきた。奈良なのか?とあまり変わらない自分を見つめ、岡井隆の言葉の凝縮を、人は結晶というのかもしれない、読む。4時半である。
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