裏原宿の雄であった、BATHING APEがこのほど短期的に、表参道に釣り具の店を出店した。かつて、私達はエイプがスニーカーストアーを出す時に一緒に仕事をしたことがあり、(あまりうまくいかなかったが。そもそも企業ポリシーが違いすぎた。参考までに、私達は泥水も飲む。生きの残るためには)その当時はエイプといえば飛ぶ鳥を落とす勢いであった。その後、エイプはオリジナルのスニーカーをだし、やはり売れた。そして私達との関係は消え去った。
そのエイプが釣り具ショップをたぶんダイワさんと期間限定とはいえ開いたことに、なぜか悲しい気がした。彼らは、裏原宿という場所で、世界に通用するブランドをつくった。しかし、このごろはサンリオへの版権貸しに始まり、今回の版権貸し、ブランドとしての生き残りに方向性がなく、やはり沈んでいくのかと思うと、原宿で商売をしている私も襟を正さなければならないと強く感じられる。
そもそも、商売とは生き物であり、時代についていけないものは、沈んでいくのである。時代とは私達、一人一人が思想の(民意、もしくは考え)流れを造るものである。私たちは大きな流れには逆らえず(例外もあろう、しかし、そこにはトリックスター的要素が必要である。人を熱狂させるもの。)流れにしたがわなければならないのである。まさしく、その時代の流れに失敗した感がエイプにはあり、どうにもならないのだろう。
強者どもが夢のあと? 果たして、彼らが“強者”かどうかは別として、悲しいことである。
同じことが、私達にもいえるのであり、スニーカー、靴業界、しいて言えば、ファッツション業界は斜陽産業なのであり、どこに時代を求めていくのか?
(これは私の体感、世の中の体感)難しい時代になったと同時に、面白い時代だとも思う。自然とは残酷であり、生き残れるものは多くない。果たして、私は?
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