スポーツと格闘技
香港大会で、武蔵は金玉を打ち砕かれて敗れ去った。武蔵は、曲がりなりにもカラテ家であり、真剣勝負という本来の武道の精神、「闘い」というものの意味を考えてもらいたい。K1はルールに則ったスポーツを標榜している。だから勿論その試合は、なんでもありの真剣勝負とはわけが違う。しかし彼のその精神は、スポーツというルールに寄りかかりすぎていたのではないだろうか。本来の闘いは「ヤルかヤラレルか」であり、敗北は即ち死を意味する。そこでは、どんな手を使おうと勝ったものが生き残る。だから、あらゆる攻撃に対しての備えがあったはずである。それを、スポーツというルールに守られた世界で闘うことで、武蔵は失っていた。金的に対する防御と用心すらできない武蔵は、真の武術家ではないということだ。
一方で船木正勝が復活するらしい。彼はヒクソン・グレーシーに敗れて、そのまま引退した。真剣勝負とルールのある闘いを求道し、その精神は分裂した。彼は復活して我々に何を見せようとするのだろう。その分裂した精神を繋ぐものは。鈴木みのるの世界が素晴らしいだけに、興味深い。夢想は尽きない。
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