なかなか面白かった。はじめは、新手の宗教書の類なのかと、ちょっと疑いの気が湧かないでもなかったが、読み進めて行くうちにだんだんその深みがわかってきた。総ての生物とヒトは、コミニュケーションができるというのはそうなのだろう。そのやり方は見方によって、かなり宗教的ではある。現代は脳が優先される社会ではあるが、かつてヒトが持っていたであろう様々な能力が、そろそろまた見直される時代になっていくのかもしれない。それは、ヒトの持つ生命としてのエネルギーが、どんどん弱まってきているように感じられるから。それとともに文明も、どんどん衰亡していっている感がする。繰り返される文明の興亡。
この書の前半部分は、犬との交換に費やされるが、その真の面白さは後半の「蝿のフレディー」や他の昆虫たち(蟻やミミズはてはバクテリア)との交換にある。蝿としゃべり、交換したいという欲求からして、この人の異人ぶりが窺われる。その蝿の話は、物語として読んでも充分に面白く興味深い。感動的ですらある。これは深いところで、様々な問題となにか繋がっていると思われる。雀にたいし実験しているのだがなかなか難しい。夢想は尽きない。
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