村上隆の芸術と伝統
多くのスニーカーがかつて存在したモデルの、模倣ではないかと思われるシルエットを残すように、現代アートもかつての伝統的なモチーフからの模倣と思われるものが数多く存在する。(もしくは、その瞬間しか表せないもの、時間性を用いたものも特徴であるが)その中で、今、日本で最も注目される現代アート作家である、村上隆氏の作品にも日本の伝統が(もしくはインド、中国の伝統、)模倣されているように感じられる物が多い。
今回16億円にて落札された作品は、三十三間堂の仏像の一つ、首に蛇をまく物からのインスピレーションを得ているのではないだろうか?それを現代に置き換えると、その蛇が、性器(ペニス)になり、主体が仏像からアニメに登場する少年になる。しかし、三十三間堂の仏像は、そこに芸術性と神が世の中の怒りを止める精神性を表すが、現代アートはそこに現代の持つ閉塞性を(個人のフラストレーション)を表しているのである。
その意味を作者が理解しているのか、いないのかはわからないが、そのことを感じ取れるのが芸術家であろう。ネグレといい靖国といい、日本人の芸術感の欠如は甚だしいのではないだろうか?
飛躍していて理解してもらえるかどうかわからないが、感じ取ってもらいたい。
コメント