すかっとしない結末に
バダ・ハリが最期にやらかし、決勝戦で反則により失格。そして優勝は、レミー・ボンヤスキーの手に渡った。まあ、順当といえば順当な結果である。試合じたいは楽しめたが、面子の入れ替わりによって、そのスケール感は後退し、すごく小粒な印象になってしまった。かつての、胸躍らせる特別のオーラは、もはやそこから去ってしまい普通の大会と変わらくなった。もはや、熱狂する祭りではないのだ。フレッシュな選手がどんどん活躍するのはいいことである。しかし、そこにスターがいない。もはや、アーツやバンナにみんな飽きてしまっている。それらに変わる候補として、バダ・ハリを担ごうとした目論見はもろくも崩れ去った。これでまたしばらく、混沌とした状況が続く苦しいものになるだろう。ボンヤスキーは栄冠を手にしたが、スターとして感情移入するのは難しい。まだまだ人材不足は否めないだろう。試合内容はKO決着も多く、以前に比べ緊迫した雰囲気の満ちる、スリリングなものに変革されたのは凄くよかった。それだけに、最期が残念であり、それまでのいい流れをぶち壊してしまった事で、その印象が希薄になってしまった。今年のK‐1は、魔裟斗によって救われた。あの彼が優勝した大会が、唯一輝きを放つ、記憶に残る名勝負となったからである。夢想は尽きない。
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