アメリカで競売に
運慶の作だとされる如来像を個人で所有しているとは驚きであり、それをアメリカでクリスティーズの競売にかけるという。持ち主は、文化庁に海外への持ち出しを前提に、指定文化財ではない証明を求める申請をしていた。でも素人が普通に考えても、これは重要文化財もしくは国宝なのではないだろうか。落札予定価格が、一億六千万円~二億一千万円だという。この金額は意外に安く感じないだろうか。その程度なら、国が買って保存すればいいのにと単純に思ってしまう。国が個人の所有物を、どうにかすることは出来なかったのであろうが、よくひきさがったものである。12世紀ごろの作で、仏像の内部には、五輪塔の形をした木札や水晶の玉が納められていることとその作風から、運慶作の可能性がきわめて高いという。
このニュースの断片を読んでいて不思議に思うことがある。なんでもこの所有者は、2003年に美術商から如来像を買ったという。私はてっきり、家宝として代々受け継がれてきたか何かかと勝手に想像していたのだが。じゃあ、この仏像は、一体どっからでてきたのだろうか。もともとは寺にあったと考えるのが自然だろう。それでは過去、寺の人間が誰かに売ったのか。又は過去、寺から盗まれたものなのか。何故、2003年になって突然表れたのであろうか。あと文化庁は、この仏像を買い取る交渉を行ったが、所有者と合意に至らなかったという。単純に値段の問題なのであろうか。素人なので仏像の相場はまったく判らないが、落札予定額からするとそこまで高い感じはしない。いろいろ謎めいて、興味深くも読める話である。夢想は尽きない。
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