まあまあ楽しめた。超能力者の葛藤をテーマにしたものは、SF小説では珍しくない。過去に読んだ大作「岬一郎の抵抗」や「幻魔大戦」とは比ぶべくもないが、どうやらこの作品も「十二国記」シリーズの外伝という扱いらしいのを後で知った。どうりで、途中、唐突な感じがあるのはそのせいだろう。現実世界と異界。そこで葛藤する魂。ヒトはほんらい帰るべき場所などあるのだろうかという執拗な問い。まさに、さまざまな宗教が古来から持つテーマと一緒だ。そこに容易に答えなどない。ちょっと「十二国記」も読んでみたいきもする。夢想は尽きない。
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