「無限の住人」を読んで

　「無限の住人」沙村広明

　ちょっと迷いつつも、試しに1巻を買って読みはじめた。かなり遅ればせながら、読んでみて驚いた。へーこんな漫画が出てたのかと。ここしばらく、漫画を読もうという気が起きなかったので、ほとんどの作品が手付かずだ。興味がある作品はあるのだが、正直追っかけていくのが億劫になっていた。そのうち全巻揃ったらまとめて買って読もうなどと考えていると、その巻数は膨大になっていて、二の足を踏んでしまう。この作品は連載して１５年になるらしいが、正直関心の埒外であった。でもたまたま先日、ブックオフで漫画コーナーの棚を眺めていると、これに「呼ばれた」ような気がしてついぱらぱら捲ったら手放せなくなった。「バガボンド」も１巻目しか読んでいないのだが、私は「無限の住人」の方が、１巻目だけ比較するなら好みである。同時進行で読んでみるのも、贅沢で面白いかもと思っている。まだ出だしで、これからこのテンションが続くのかどうかわからないが、主人公を「不死」という設定にしたところが心憎い。どこか「ウルフガイ・シリーズ」を思い起こさせるのだ。鉛筆画が随所に挿入されているのが、普通の漫画とちょっと違った感覚で、それが素晴らしい効果を生んでいるように思われる。久々にわくわくさせられる漫画かもしれない。夢想は尽きない。

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