「メメント」 クリストファー・ノーラン監督
2000年のアメリカ映画。なんの予備知識もなく、この映画を観たのだが驚いた。時間を逆行する作品。このアイデアがまず斬新である。そして緊迫感のある映像。なかなか凄い映画であった。記憶を揺さぶる。人の記憶とは何なのか。この曖昧で脆い部分。しかし、それに頼らなければ人は生きられない。記憶は都合のいいように脚色され、勝手に管理されているようにも思われる。脳とは考えると不思議なものである。脳が記憶を総て司っているとしたら、その判断基準は何なのか。記憶を留めたり、忘れ去ったりすることを指示する、脳を統括する上部構造があるのか。その無意識の領分。ヒトは通常の意識とは別の、なにか見えざるものに生かされている存在なのかもしれないと夢想したりもしてみる。幻想は果てしがない。
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