ボクシングフライ級のこれから
とりあえず役者は出揃った。あとは熱いうちに鉄を打って欲しい。亀田、内藤、坂田、三つ巴の闘いに突入すべきだ。今が旬であろう。プロとして技術を見せるのは当然のことで、そのさらにプラスアルファがあるかないかで、価値はきまると私は思う。今回の内藤選手の試合はもの足りない気がした。結果を一番求められた試合であったはずだし、美味しいのはこれからであるのは承知している。しかし器というか、魅せるという部分で、私は惹きこまれなかった。いいかえれば内藤選手は、主役(スター)の役割ではないのである。そこで表現されているものが、勝つとか負けるとかいうレベルを超えて、両雄の魂が何かに迫ったときにたち顕われてくる世界に感動するのである。勝敗や技術の優劣など所詮この世、現世的なるもの。しかしあの世、日常を超えた精神の聖なる世界が垣間見える瞬間を待ち望みつつ、私にとって闘いを観ることは楽しみである。幻想は果てしがない。
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