沢屋敷純一vs藤本祐介
今回の大会は、すっきりとしたKO決着がほとんどで、本来の魅力と興奮を味わうことができた。その中でも、沢屋敷選手と藤本選手の闘いは面白かった。1Rで沢屋敷は、鼻を折られてかなり出血し、このまま一方的にやられるのかと思われた。しかし、2R、3Rで盛り返し藤本を圧倒した。これで沢屋敷は、ダークホースとしてこれからのカギを握る存在になった。バンナに勝ったのがフロックではないことが、これで証明された闘いでもあり、K-1に於ける、新たな日本人のヒーロー誕生を予感させるものでもあった。
この試合は、精神力の差を浮き彫りにした試合である。沢屋敷は、試合を止められてもおかしくない状況でありながら、逆転をあきらめなかった。しかし藤本は、その闘志(執念)に圧倒されたのか、絶対的優位な状況から坂道を転げ落ちるように転落し、最後は精神までを断ち切られた。これで藤本選手は、もう二度と沢屋敷選手に勝つことができないのでは、などと感じさせるぐらい一刀両断にされてしまったのだ。まさに非情ともいえる勝ちかたである。
沢屋敷は野武士のような魅力を感じさせる、今までにはなかった存在であると気づかされた。その精神の奥深さを、これからの闘いでじょじょに現してくるのではないか。その潜在能力が、次の闘いを盛り上げることを予感させる。これからのK-1が、沢屋敷選手の登場で面白くなった。夢想は尽きない。
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