本末転倒
昨年度の赤い羽根共同募金、約220億円のうち、各地の自治会などが集めた戸別募金が7割で、街頭募金は2%にも満たないらしい。そして自治会費に募金を上乗せして、強制的に徴収するという自治会の決議は違法であるかという裁判が行われ、逆転で違法であるという判決が下った。そこの自治会では、各世帯を訪問して募金を集めていたらしい。それを拒否した人に、自治会費に上乗せして徴収することを決議した。募金などは本来、個人の自由であると単純に思っていた。しかし恐ろしいのは、一審では違法ではなく、それなりの合理性があるとした判決が下っていることである。住民の「募金は個人の自由意志である」という訴え、それを当然とは思わない人々がいるということが、恐ろしい時代に生きていることを改めて感じさせる。こんな幻想の違いが生じるほどに、世界は脆くなっているのかもしれない。幻想の力は侮れない。
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