2003年の作品。とてもファンタジックな作品である。まるでお伽話の世界で遊ばされているような心地よさがある。アニメーションにしては、新宿のホームレスを題材として、ちょっと異色な世界である。しかし、だんだん観ていると、その世界に引き込まれていった。良く出来ているとは思う。だけど観終わって、何かもの足りない気分に落ちいる宿命。
それはどこか綺麗事めいた感じが残るからである。毒がない。単なる好みの問題ではあろうが。アニメーションという特殊な幻想のフィルターに覆われている世界では、汚いものまで綺麗に見える。そのギャップが私には気になった。それは設定が現実に近い世界であったせいなのかもしれない。又は絵の背景のリアリスティックな感じが、余計に浮き上がらせたのかもしれない。とても面白いとは思うが、それらが私の感動しなかった理由のような気がする。幻想は尽きない。
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