前回に引き続きもう一本、最近部屋で観た映画です。だいぶ昔に観て面白かった記憶があり、「竜司」の監督、脚本コンビなので、観たらちょっと期待はずれ。感動できなかった。何故か。美学が見えない。これはやくざ映画(美学のある)ではなく、単なる娯楽作品である。だから通常日常レベルの空間で、非日常の闇を漂えない。この映画はハッピーエンドにすることによって、負のエネルギーの行き場がなくなり、余韻を殺した。ハッピーエンドの出口は現実の空間であり、悲劇の入口は古代ギリシャから連なる異空間である。ハッピーエンドに永遠性は無い。だから飽きる。この映画が最初の印象と違った最大の理由。
美学のある映画が好きだ。映画の作品世界を支える力は、美学である。その空間が気持ちいいかは、人それぞれ。美学は魂であり、決して滅びない。それは形を変え、いつの日か輪廻する。妄想は果てしがない。
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