幻想と幻想のぶつかり
人は個人個人、幻想を持って生きている存在である。その幻想があまりにも食い違うと、衝突を起こしてしまう。どちらが正しいとかは、それぞれの個人の中にしかない。そのために、道徳、宗教、法律等によって、その共同体の幻想はある程度規定され安定を保っている。人間の歴史は戦いの歴史だ。常にどこかで争いが起こっている。国家としての幻想、宗教としての幻想等。様々な幻想のぶつかり合いが、世界そのものだ。そのなかで、人は反省し努力をする。しかしいまだかつて、ユートピアが実現したためしがない。現在様々な共同の幻想が崩れてきて、家族、道徳、宗教等の規範が力を失いつつある。(もはや失ってしまったのか。)そこから家族どうしでの殺人等が、最近後を絶たない。理想を叫べばそれが正義となり、それに同調しないものは悪者になり排除され攻撃される。そこからまた新たな戦いが生まれる。理想や正義を叫ぶ者は、他者をどこまで受け容れられるか。それは果てしなく難しい。それは今もあちこちで紛争が絶えない事実が証明している。この地球という星に住む生命総ては、他の生命を喰らいあって生きている、弱肉強食の地獄世界そのものだと喝破した人もいる。その中で人はどう生きるか。混沌の世界の中で生きることによって、人としての成長と進化が有るのではないかと思う。私の幻想は尽きない。
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