「夫婦茶碗」 町田康 を読んで
個人的に現代の日本の作家で好きな一人である。気取っている作品は嫌いだ。作者は元パンクバンドのヴォーカリスト、日本の80年代パンクロックの草分け的存在、アンダーグラウンドの世界では伝説の人だ。それが作家になり芥川賞まで受賞するとは思わなかった.音楽をやっているからであろうか、文章がリズミカルに跳ね回り読んでて心地いい。独特の世界観の中で遊び、ほっと一息ついて帰ってくるそんな小説だ。
個人的にこんな世界に憧れがあり、馬鹿馬鹿しくもあり、楽しくもあり夢想する。作者もそうなんだと感じる。実際こんな世界では生きられないけれど、どこかで可能性を思考する自分がいる。この世界が住みづらい(生きづらい)と感じている人は、遊びに行けばいい。他にも色々なこの人の作品が出版されている。すごく真面目な人なんだと思う。心の中を斬りつけられる小説ではないので御安心を。
ちなみに作品の中で、生まれた子供の名を「靴」にしようとする主人公、こういった感性がまたすごく変わっている。
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