「少年少女」を読んで

　　「少年少女」　福島聡

　先日、古本屋で2冊50円の漫画コーナーを物色していて、上の漫画を試しに購入してみる。全然知らない人だ。読んでみると、これがなかなか味のある作品で、まさに拾い物であった。その奥行きのある作品世界に、ちょっと感心した。どちらかといえば、文芸よりの漫画であるが、その世界に暗さは感じない。どろどろした怨念のような感覚とは無縁で、もっとあっけらかんと、からっとしているのがこの人の特徴だ。そして、ちょっと幻想的でいい香りのする不思議な感じを持っている。ちょっと注目してみたい漫画家である。夢想は尽きない。

チャプターワールド