WBC世界フライ級タイトル戦
亀田対内藤の試合は、話題性もあり注目度が高かった試合である。試合内容だけを評価するならば、世界戦としては凡戦に見えた。立ち上がり序盤は緊張感があり、その後の展開を期待させたが、だんだん尻すぼみになっていった。結局試合は噛みあわず、名勝負として昇華することなく終わってしまった。お互いに、相手をばっさり切り捨てるだけの圧倒的力はなく、技術の差で内藤が勝った。たぶん名勝負とは、お互いの信頼関係なしには生まれないものなのであろう。それは、ボクシングとか勝負の枠を超えたところにある、ちょっと別の世界なのかもしれない。人が名勝負を観て感動するのは、平凡な日常を越えた崇高なる世界、非日常の空間がそこに垣間見えるからである。彼等にその力と技術はなかった。
内藤が勝って、亀田が負けた。その結果だけが残った。内藤の真価は、亀田興毅と闘ったときに発揮されるのかもしれない。サイドストーリーは面白いが、肝心の試合で魅せて欲しい。夢想は尽きない。
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