韓国映画<祝祭>
最近近くの古本屋で安い映画のビデオを見つけたので、大量に買い込み暇があればみている。5本で千円、もちろん中古で昔レンタルビデオ用だったものである。昔からあまり映画を見る習慣が無く、どちらかというと活字を読む方が好きである。本は半端なくたまっている、でもほとんど古本屋で安く買い集めた物ばかり(中には価値の有る物も有る)。最近は置き場所がないので、なるたけ文庫本を買う様にしてはいるのだが、見つけたら買ってしまう中毒者である為、新刊本屋にはあまり行かない様にしている。
それで久々に上記の<祝祭>という映画を見たわけであるが、これが結構おもしろかったのでここに紹介しておく。1996年製作の韓国映画で、監督はイム グォンテク、主演がアン ソンギ。韓国のお葬式の話である。一時期韓国に興味があり、少し調べた事があるせいかもしれない。まず題名がいかしている。元来葬式とはどの国でも共同体のお祭りであり、非日常の聖なる時間、まさしく祝祭である。映像もとても詩的で美しい。たぶん見ていて飽きなかったのは、人の共同体が本来持っていたものを現在失ってしまった我々に呼び覚まし、魂の奥深い所で静かに揺すぶられたからかもしれない。韓国と日本は、似ている面もありまったく違う部分も多い。韓国も日本も多民族国家であり、いろんな文化が混ざりあっている。儒教という韓国独特の宗教感の底に、もっと原始的なものがこの映画から感じ取れる。人が本来持っている原始的なエネルギーがあるような気がする。
もう10年以上も前に、船で(確か鑑真号だったと思う)下関から釜山まで往復の旅をしたのが韓国との初遭遇だった。その時いろいろお世話になった人達、みんなすごく優しくしてくれ、とてもあったかかった。今でもとても感謝している。その時から韓国は私の中でいい思い出になり、ちょっと気になる存在なのである。
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